第22章 四無量心(真の愛の四要素)
(ティク・ナット・ハン著「仏陀の教えの核心」より)
1. 四無量心(真の愛の四要素)
= 愛、思いやり、喜び、平静
= 真の愛の住所
= 真の愛の四つの面
= 四つが相互依存
= 全世界を抱きしめるまで成長する
= 悟りを開いた人の性質
= 結果として、誰もが、全ての物がより幸せになる
(参考1)
マインドフルネス、集中、洞察の力で、自分の有限の愛を無限の愛の源へと変容できます。仏陀は真の愛を構成する四要素について以下の通り話しました。
1) 愛:親切にしたり、幸せを提供する能力。サンスクリット語でmaitri;
2) 思いやり:苦しみを軽減する能力。サンスクリット語でkaruna;
3) 喜び:毎日喜びをもたらす能力。サンスクリット語でmudita;
4) 平静 (手放すこと):非差別の能力。サンスクリット語でupeksha.
(ティク・ナット・ハン著「力の芸術」から抜粋)
(参考2)
1) 友情 (親族):("maitri"は「友達」を意味するサンスクリット語"mitra"からきている)
2) 癒し:癒す能力 (癒すとは再び健康にしたり、元気にすること。 従って、癒しは苦しみを変容したり、取除く過程として見られる)
3) 喜び:(利他的な喜びも含む。他人の有利な状態や達成に対し幸せを感じること)
4) 相互依存:(相互依存は平静、非差別、包括性、解放を包含)
(ダン・ニエム著「薬としてのマインドフルネス」から抜粋)
(参考3)
2011年12月の瞑想会において、ティク・ナット・ハンは仏陀の四無量心にもう二つの要素を追加。一つが「信頼と自信」、もう一つが「畏敬の念」 (あるがままを認識し畏怖する能力)。
(ダン・ニエム著「薬としてのマインドフルネス」から抜粋)
2. 真の愛のための実践
1) 愛の能力開発
深く傾聴し、調査する実践が必要。
(他を幸せにするために、すべきこと、してはならないことを知る)
(ドリアンの話:理解のない愛の例)
理解がないなら、あなたの愛は真の愛ではありません。
2) 思いやりの能力開発
マインドフルな呼吸、深い傾聴、深い調査の実践が必要。
(他の痛みに触れることができるようになる)
深いコミュニケーションを取るだけで相手に安堵をもたらします。一つの思いやる言葉、行動、考えが相手の苦しみを軽減し、喜びをもたらします。仏陀の笑顔が可能なのは、仏陀が十分な理解、穏やかさ、力を持っているからです。仏陀が苦しみに微笑むことができるのは、 仏陀が苦しみの世話の仕方、苦しみの変容を助ける方法を知っているからです。
3) 喜びの能力開発
マインドフルネスで生きることが必要。
(素晴らしいもの、心身を爽快にするものに触れることができる)
4) 平静の能力開発
相手の身になって、相手と一つになることが必要。
(相手を理解し、真に愛する)
(「自」「他」の区別がなくなる)
あなたの愛に執着、差別、偏見、しがみつきがあれば、真の愛ではありません。
平静 = 非執着 = 非差別 = 穏やかさ = 解放(手放すこと)
[上記の真の愛のための全ての実践はマインドフルネス、集中、洞察に基づいています。ですから、簡単に言うと、マインドフルネス、集中、洞察のエネルギーを発生させることが、真の愛、無限の愛、無条件の愛、即ち悟りのための実践です。]
6. 悟りのための実践
仏陀は、「以下の実践をする者は悟りに深く至るでしょう」と言いました。
1) 四無量心
2) 七覚支
3) 四聖諦
4) 八正道
[ 七覚支:マインドフルネス、調査、精進(エネルギー)、喜び、くつろぎ(リラックス)、集中、手放すこと(平静) ]
(参考4)
1) 四聖諦 ⇒
2) 八正道 ⇒
3) 四念処 ⇒
4) 念息経(十六念息) ⇒
5) 般若心経 ⇒
6) 七覚支 ⇒
7) 四無量心
[ 上記は以下の通り分類できると理解しています。
1-2): 教えの全体像
3-6): 教えの具体的実践方法
6-7): マインドフルネス、集中、洞察の実践を通した果実 ]
(Cf.) http://www.amazon.co.jp/dp/B012YZBHHS
四無量心(真の愛の四要素)