しかしながら、正見(正しい見方)と正思惟(正しい考え)は非常に人を欺く言葉です。
なぜなら、全ての見方は誤った見方であり、全ての考えも誤った考えであるからです。
正見(正しい見方)とは何のことでしょうか?
正見は洞察や智慧を意味します。
従って、全ての見方の不在が正見(正しい見方)なのです。
正思惟(正しい考え)とは何のことでしょうか?
正見と同様に、全ての考えの不在が正思惟(正しい考え)なのです。
即ち、非思考(考えないこと)が正思惟(正しい考え)なのです。
そして、正語(正しい発言)と正業(正しい行動)もまた、正見(正しい見方)に依存します。
どのようにしたら、私たちは正見(正しい見方)を得られるでしょうか?
私たちは、現実の本質を理解する必要があります。
どのようにしたら、私たちは現実の本質を理解できるでしょうか?
私たちは、全ての概念、考え、知覚を投げ捨てる必要があります。
なぜなら、概念、考え、知覚は、分離、差別、即ち二元性を引き起こすからです。
そして、分離、差別、即ち二元性こそが煩悩を引き起こし、苦しみの根本原因となるのです。
ですから、私たちは非二元性を得るために、現実と一つになり、二元性を超越しなければなりません。
どのようにしたら、私たちはそれを行うことができるでしょうか?
マインドフルネス(念)、集中(定)、洞察(慧)が、私たちがそれを行うのを助けてくれます。
マインドフルネス(念)とは何のことでしょうか?
マインドフルな呼吸、マインドフルな歩行等によって、目覚めた意識を復活させることです。
目覚めた意識は自他を分離しない正見(正しい見方)を持ち、考えずに常に洞察を得ることができます。
一方、エゴ(独立した自己)は自他を分離する誤った見方を持ち、考えてばかりいます。
正見(正しい見方)からは、正語(正しい発言)と正業(正しい行動)が生じます。
一方、誤った見方からは、誤った発言と誤った行動が生じます。
その結果、正しい発言と行動は福徳をもたらし、私たちは幸せになります。
反対に、誤った発言と行動は否定的な結果をもたらし、私たちは苦しみます。
一度に一つのことをするだけ!自分の行動に集中すること!そうすると、常にマインドフルに生きることができるようになります。
(参考)http://www.slideshare.net/compassion5151/ss-44713365
八正道