引用:
マインドフルネスの4つの基盤があります。それは、深く観る4種類の対象があることを意味します。黙想するとは、深く観る実践をする時間を持つということです。そうすると、何を深く観るのでしょうか?マインドフルネスの対象は何でしょうか?集中の対象は何でしょうか?そして、あなたの心の対象は何でしょうか?
最初の領域、瞑想対象は「体」であることを、私たちは非常によく知っています。そして、「体の中の体」の瞑想に関する経典があります。実際には、多くの経典が存在します。しかし、「体の中の体の瞑想」という題の一経典があります。そういうわけで、体が最初の瞑想の対象です。あなたは自分の体を瞑想する必要があります。あなたは自分の体を深く観ます。
(1. 吸う息、吐く息と一つになる)
「念息経(マインドフルな呼吸に関する経典)」には、あなたの体をを巧みに扱うために、次の4つの実習があります。そして、第一の実習は、あなたの吸う息、吐く息と一つになることです。まず、あなたは自分の吸う息と吐く息に接触することによって、あなたの体に近づきます。あなたの体に近づくために最良の方法は、吸う息と吐く息の方法によるものです。マインドフルな吸う息と吐く息で、あなたはあなた自身をあなたの体と接続するのです。そして、その実践はまた、楽しいものです。
(2. 吸う息、吐く息についていく)
第二の実習は、あなたの吸う息、吐く息に、始めから終わりまで
ずっとついていくことです。そのように、あなたはあなたのマインドフルネス(念)と集中を高めていきます。そして、それもまた、楽しいものです。ただ座って(座禅を組んで)、息を吸い込むのを楽しみ、始めから終わりまで自分の吸う息についていくことは、多くの喜びと癒しをもたらすことができます。
:引用終わり
(解説)
「体の中の体」とは、現象界における「肉体の中の法身(ダルマ・ボディー)」を意味すると、私は理解しています。そしてまた、(呼吸している)法身とは、目覚めた意識、独立していない(無自性)自己、本当の自分、全宇宙、宇宙体、即ち仏陀を意味すると、私は理解しています。
ですから、「あなたの心をあなたの体へ連れ戻す」というティク・ナット・ハンの表現は、「過去か未来に彷徨うあなたの思考を今、ここに居る法身(目覚めた意識)へ連れ戻す」ことを意味すると、私は理解しています。しかし、心(過去か未来に彷徨う思考)は今、この瞬間に戻ることはできませんので、「あなたの心をあなたの体へ連れ戻す」という表現は奇妙である、と私は感じます。それ故に、「あなたの心を思考から目覚めた意識(洞察)へ変容する」、または「あなた自身をエゴから目覚めた意識へ変容する」、はたまた「目覚めた意識を復活させる」という表現の方がより理解しやすいと、私は感じます。
(参考)http://www.amazon.co.jp/dp/B012YZBHHS
http://compassion5151.blogspot.jp/2016/04/blog-post_26.html
ティク・ナット・ハン