http://plumvillage.org/news/a-mindful-response-to-terrorism/
耳を傾けて理解する能力は、本当の和解と平和のために不可欠です。次の部分は全種類の問題に有効ですので、覚えておくことは私たち全員にとって非常に有用です。
引用:
「神はどちらの側にもつきません。イエス、仏陀、アッラーの如く、全ての偉人は思いやりと包括性について話します。相手側を排除することによって平和になれる、と私たちは信じるべきではありません。」
「医者は患者自身を破壊したいのではなく、病人の中のマラリアを破壊したいのです。テロリストはテロのウイルスに病んでいる人間です。あなたが見るウイルスは恐れ、憎しみ、暴力からできています。あなたはこの病気を持つ人の医者になることができます。あなたの薬は、意思疎通を復元する実践です。」
「しかし、もし医者が患者に話すことができない場合、もし患者が協力することを拒否する場合、医者はどのようにして助けることができるでしょうか?もし、患者が医者の助けを拒否し、医者を信頼せず、医者は多分自分を殺そうとしていると恐れるなら、患者は決して協力しないでしょう。たとえ、医者が助けたいという偉大な願望に動機付けられているとしても、もし患者が協働しないなら、医者は何もすることはできません。ですから、医者がしなければならない最初のことは、開かれた意思疎通への道を見つけることです。もし、あなたが患者に話すことができるなら、まだ希望があります。もし、医者が患者の苦しみを認識することから始められるなら、相互理解が発展でき、協働が始まり得ます。」
:引用終わり
(解説)
全ては、私たちが誰であるかに依存します。ですから、両者が目覚めた意識であるか、目覚めた意識になりたがっている場合にのみ、上記のティク・ナット・ハンの助言が通用する、と私は理解しています。以下は、私の方程式です。
目覚めた意識 x 目覚めた意識 ⇒ ストレスなし、問題なし
目覚めた意識 x エゴ ⇒ 問題 (ストレスなし)
エゴ x 目覚めた意識 ⇒ 問題 (ストレスなし)
エゴ x エゴ ⇒ ストレス + 問題
(注)ストレスは、分離から引き起こされる煩悩より生じる。
ティク・ナット・ハンの助言のキーポイントは、協働へ向けたオープンな意思疎通と相互理解です。ですから、医者が患者に話すことができ、医者が患者の苦しみを認識できるという条件が必要不可欠です。それと同時に、患者が深く傾聴できるという条件もまた不可欠です。しかし、残念ながら、エゴは通常深い傾聴能力を持っていません。ですから、たとえ医者が目覚めた意識であったとしても、患者がエゴであれば、ティク・ナット・ハンの助言は通用しません。それは、時間とエネルギーの無駄になってしまうでしょう。それ故に、エゴから目覚めた意識への最初の自己変容が、本当の和解と平和のためには不可欠なのです。
(参考)http://compassion5151.blogspot.jp/2016/06/blog-post_20.html
ティク・ナット・ハンの質疑応答