Wednesday, January 28, 2015

種子=カルマ

種子=カルマ(又はカルマが種子を形成)

ダライ・ラマ法王の言う「カルマ」(行動)とは、ティク・ナット・ハンの言う「種子」のことであると思います。

ダライ・ラマ法王は、「以前の負のカルマの影響を軽減または滅却するためには、より強力な正のカルマを形成するか、新たな負のカルマを形成することなく、以前の負のカルマの影響を受け容れる必要がある」と言いました。

そして、ティク・ナット・ハンは、「私たちの心の理解」と題する自著(155頁、第45章 念)の中で、私たちの根深い苦しみの種子を変容するには3つの方法があると明記しました。3つの方法とは以下の通りです。
(「私たちの根深い苦しみの種子」とは、私たちの過去の負のカルマを意味しているのだと思います。)

1. 第一の方法:(予防療法)
私たちは新しい種子を蒔いたり、既存の平和、喜び、幸福の種子に栄養を与える一方、苦しみの種子を潜在意識の中で静かに横にさせておく。
(「私たちが新しい種子を蒔いたり、平和、喜び、幸福の既存の種子に栄養を与える」とは、私たちの新しい正のカルマを創造し、私たちの過去の正のカルマの影響を楽しむことを意味しているのだと思います。)

2. 第二の方法:(対症療法)
苦しみの種子が(顕在意識に)生じた時にそれを認識することを可能にするマインドフルネス(念)を私たちは実践し続ける。
(「苦しみの種子が生じた時にそれを認識する」とは、負のカルマの影響が生じた時に私たちがそれを受け容れることを意味しているのだと思います。)

3. 第三の方法:(積極的なアプローチ)
意図的に私たちの潜在意識に子供時代からずっと一緒に居る苦痛を顕在意識へ招き入れ、古くからの友人のように私たちは座って苦痛と話をする。
(「意図的に苦痛を顕在意識へ招き入れる」とは、私たちの過去の負のカルマの影響を意図的に引き起こして受け容れることを試みることを意味しているのだと思います。)

*第三の方法はダライ・ラマ法王は説いておらず、その具体的な手法はティク・ナット・ハンによって示されていません(意図的に苦痛の種子に水やりをして顕現させる?)。しかし、もし私たちが深い念と集中状態にあり深い傾聴能力を有しているなら、私たちの傷ついたインナー・チャイルドに会ってコミュニケーションを復元できるかもしれないと思います。とにかく、ティク・ナット・ハンは「非常に苦しんでいてマインドフルネス(念)の実践法を知らない人は、苦しみの種子を顕在意識へ招き入れる第三の方法から実践を始めるべきではない」と言及していますので、第三の方法については非常に注意する必要があります。

Stove Pipe Wells, California, United States Photo by Rob Kroenert