Tuesday, December 22, 2015

二つの真理と二つの世界

正反対の全てのペア(対)は、二元性、即ち分離に基づいています。 「生と死」や「存在と非存在」がその例です。ですから、非二元性、即ち非分離とは、「不生不死」や「存在もなく非存在もない」のことです。つまり、これは正反対の全てのペア(対)、両極端の否定です。 要するに、「生と死」や「存在と非存在」は現象界の一般的真理(人間がでっち上げた概念)であり「不生不死」や「存在もなく非存在もない」は現象界の究極の真理(現実の本質)です。

しかしながら、本体の世界では形あるものはありません。なぜなら、時間と空間がなく、概念もないからです。本体の世界では、物は存在し得ず、現象は顕現できません。ですから、「生と死」や「存在と非存在」は論外です。これが、本体の世界の究極の真理です。

現象と本体は相互に依存し共同発生しており、表裏一体であると私は理解しています。ですから、現象または本体のいずれか一方というのは不可能です。有が無になることはできません。無が有になることもできません。もし、現象が取り除かれるなら、本体もまた取り除かれます。もし、本体が取り除かれるなら、現象もまた取り除かれます。それは正に、光と闇のようなものです。

それ故に、私たちは現象と本体の両方、即ち私たちの心身と意識の両方の世話をよくする必要があります。私たちが目覚めた意識を復活させたなら、現象界と本体の世界を同時に生きることができ私たちの心身と意識の両方をよく世話することができます。

(参考)http://www.amazon.co.jp/dp/B012YZBHHS 


ティク・ナット・ハンの書