Thursday, January 21, 2016

マインドフルネスの奇跡 (5)

以下は、ティク・ナット・ハン著「マインドフルネスの奇跡」からの抜粋です。

引用:
(初心者の瞑想)
初心者の場合、20~30分以上座禅を組むことはお勧めしません。その時間内で、あなたは容易に完全な休息を得ることができます。この完全な休息を得るためのテクニックは二つあり、監視と手放すことです。つまり、呼吸を監視して、その他全てを手放すということです。あなたの体の全ての筋肉(の緊張)を解放してください。約15分かそこらで、内面の平和と喜びで満たされた深い静けさに到達できます。この静けさと平和を維持してください。

一部の人は瞑想を労苦とみなして、後で休息するために時間が速く経って欲しいと思っています。このような人はまだ、座禅の組み方を知りません。あなたが正しく座禅を組むなら、まさしく座禅の姿勢で全身のくつろぎと平和を得ることができます。しばしば、川に投げ込まれた小石のイメージを瞑想するのが役立ちます。

小石のイメージがどのように役立つのでしょうか?半蓮華座であれ蓮華座であれ、あなたに最も合った任意の姿勢で、背筋をまっすぐ伸ばして、顔にかすかな微笑を浮かべて、座禅を組んでください。一息一息についていきながら息と一つになってゆっくりと深く呼吸してください。そして、全てを手放してください。自分を川に投げ込まれた小石として想像してみてください。小石は楽に水の中へ沈んでいきます。小石は全てのものにとらわれずに、可能な最短距離で落ちていき、最終的に完璧な休息地点である川底に到達します。あなたは全てのものを手放しながら、自らを川の中へ落ちていかせた小石のようです。あなたの存在の中心には、あなたの呼吸があります。あなたは、小石が水の底にある細かい砂のベッドの上の完全な休息地点に到達するまでにかかる時間の長さを知る必要はありません。あなたは自分自身が河床に到達した小石のように休息していると感じる時、それがあなた自身の休息を見い出し始める時です。あなたはもはや、何かに押されることも引っ張られることもありません。

もし、あなたが座禅の正にこの瞬間に喜びと平和を見い出すことができないなら、川が流れていくように将来自体が流れていくだけで、あなたは将来を押さえておくことができなくなり、将来が現在になった時、あなたは将来を生きることができなくなるでしょう。喜びと平和とは、座禅の正にこの時間に可能な喜びと平和なのです。もし、あなたがここで喜びと平和を見い出せないなら、あなたはどこでも喜びと平和を見い出すことはないでしょう。影がその対象についていくように、あなたの考えを追いかけないでください。あなたの考えを追い回さないでください。正にこの瞬間に喜びと平和を見い出してください。
:引用終わり

(解説)
停止、沈静化、休息、癒しは、瞑想の主たる機能です。もし、私たちが呼吸に集中したなら、思考を停止し、心と体を穏やかにし、自分自身を休息させ、癒すことができます。私たちに必要なのは、呼吸に集中することだけです。

(参考)https://www.youtube.com/watch?v=AW66B_aGuiA

ティク・ナット・ハン