Showing posts with label ティク・ナット・ハン. Show all posts
Showing posts with label ティク・ナット・ハン. Show all posts

Wednesday, March 15, 2017

認識 = 気付き = 悟り

次のティク・ナット・ハンの悟りに関する法話を00:47~02:49迄、深く傾聴してください。


以下は抜粋です。

引用:
唯一、仏陀、完全な仏陀が、一日中目覚めている人です。しかし、私たちは時折しか目を覚ましませんですから、私たちの日常生活の中でもっと目を覚ますために、マインドフルな呼吸を実践すべきなのです。

私は認識について話しますし、悟りについても話します。なぜなら、認識と悟りは同じ内容だからです。そして今、同一であるマインドフルネスという言葉があります。なぜなら、あなたが起こっていることに気付いている時、あなたは認識しており、あなたは悟っているからです。

ある実践を考えてみましょう。

「息を吸って、私は良い目を持っていることを知っている。」
「息を吐いて、私は私の目に微笑む。」

それが認識であり、それが良い目を持っていることの気付きです。しかし、それはまた悟りでもあります。なぜなら、私が良い目を持っていても、私がそれを知らなければ、私は全く悟っていないからです。ですから、悟っているということは、マインドフルである(気付いている)ことと同じ意味です。そして、あなたがそのような認識を持っているなら、一瞬一瞬悟りを得ることができます。

ですから、私たちの多くは失念して日々を過ごします。私たちは(肉体的には)生きていますが、私たちは(精神的には)生きていません。私たちは過去に迷います。私たちは将来について大変心配し、将来を恐れています。私たちは非常に多くのプロジェクトを作り、将来を楽しみにしています。私たちには、全てが存在している今、この瞬間に生きている能力がありません。そのように生きる人は失念して生きています。すると、彼らには生命が手に入りません。そして、彼らは死体を肩の上に担いで、彷徨いまわる人のように生きます。彼は既に死んでおり、彼女は既に死んでいます。
:引用終わり

(解説)
小さい子供たちや熟睡状態を除いて、ほとんどの人は目覚めていません。しかしながら、その人たちはマインドフルではありませんので、そのことを認識できません。本当に生きているためには、目覚めた意識(無自性自己)に戻ることによって、マインドフルになる必要があります。鍵は思考を停止することです。

(参考)https://www.amazon.co.jp/dp/B012YZBHHS


Saturday, March 11, 2017

洞察 = 正見(正しい見方)

次のティク・ナット・ハンの「正見」に関する法話を、21:45~25:07迄深く傾聴してください。
https://tnhaudio.org/2017/02/26/practice-engaged-buddhism/
以下は抜粋です。

引用:
中国語では、八正道「八つの正しい実践の道」と翻訳されています。そして、第一は「正見」(正しい見方)です。絶対的真理によれば、正見は全ての見方の不在を意味します。それが正見と呼ばれています。私たちが全ての種類の見方を取り除いた場合にのみ、正見を持ちます。絶対的真理です。相対的真理である限り、あなたは手助けをするために道具を創造することができます。

そして、正見は、八正道四諦無常の教え、無我の教え、無願の教えであると見なされ得ます。そして、これらは教義、理論、信条として受け取られるべきではありません。これらは私たちの解放、変容に取り組むための道具として認識されるべきです。

ですから、正見の第一の意味は、全ての見方の不在です。そして、正見の第二の意味は、私たちの変容と癒しのために私たちを助ける道具の種類です。そして、ここでの正見は真の智慧です。正見は私たちを解放し、私たちの周りの人を解放する能力を持っています。
:引用おわり

(解説)
正見は全ての見方の不在を意味します。なぜなら、全ての見方は分離、差別、即ち二元性を引き起こす誤った見方であるからです。ですから、私たちが見方を持っているなら、煩悩が生じて苦しみます。私たちが全ての見方を取り除いた場合にのみ、正思惟(正しい思考=非思考)が可能です。

(参考)https://www.slideshare.net/compassion5151/ss-42025929


ティク・ナット・ハン

Thursday, March 9, 2017

理解 = 洞察

次のティク・ナット・ハンの「いかに敵を愛することを学べるか」に関するビデオを深くご覧ください。
http://www.filmsforaction.org/watch/thich-nhat-hanh-how-we-can-learn-to-love-our-enemies/
次の「思いやり、解毒剤」に関する記事を深くご一読ください。
http://www.filmsforaction.org/articles/compassion-the-antidote/
以下は上記記事からの抜粋であり、ティク・ナット・ハンの貴重なアドバイスです。

引用:
(怒りの対処法)
あなたが怒りに満ちているなら、他人への苦しみよりもあなた自身への苦しみを多く創造します。あなたに怒りのエネルギーが宿っている時、あなたは罰したい、破壊したいと思います。ですから、賢明な人は怒りがまだ自分の中に残っている間、何も言いたくないし、何もしたくないのです。ですから、まず自分自身に平和をもたらそうとしてください。あなたが穏やかな時、あなたが明晰である時、あなたは相手が、社会、両親、友人、環境によって伝えられた混乱の犠牲者、憎しみの犠牲者、暴力の犠牲者であることがわかります。 あなたがそれを理解できると、あなたの怒りはもはやありません。

(許し方)
許しは、私たちの心の中に思いやりが生まれるまで、可能ではないでしょう。たとえ、あなたが許したくても、許すことはできません。思いやりを持つためには、相手がなぜあなたやあなたの周囲の人にそんなことをしたのかを理解する必要があります。彼らが自分自身の混乱の犠牲者であり、自分自身の世界観の犠牲者であり、自分自身の悲しみの犠牲者であり、自分自身の差別の犠牲者であり、自分自身の理解と思いやりの欠如の犠牲者であることを、あなたは理解しなければなりません。

(理解と思いやりの実践法)
あなたがあなたの父親に怒っているとしましょう。多くの人が父親に怒っていますが、成長する時にそれを変えるために何もしなければ、彼らは自分の父親が自分にしたことを正に繰り返します。彼らは自分の子供たちに同じことをするでしょう。ですから、私たちはプラム・ビレッジにやって来る非常に多くの怒っている息子と娘を助けた瞑想の素晴らしい実習を持っています。それは以下の通りです。

息を吸って、私は5歳の子供の頃の自分自身を見ます。
息を吐いて、私は私の中のその5歳の子供を優しく抱きしめます。
息を吸って、私は私の中のその5歳の子供がもろく、傷つきやすいのを見ます。
息を吐いて、私は私の中のその小さな子供のを感じ、その子供の傷を優しく抱きしめるために思いやりのエネルギーを使います。

そして、続けます。
息を吸って、私は5歳の少年の頃の父親を見ます。
息を吐いて、私は5歳の少年の頃の父親に微笑みかけます。
息を吸って、私は5歳の少年の頃の父親がどれほどもろく、傷つきやすいかを見ます。
息を吐いて、私は5歳の少年の頃の父親に思いやりを感じます。

あなたの父親を、もろくて、感じやすい、いっぱい傷のある5歳の少年として、視覚化できる時、あなたは理解し、思いやりを感じ始めます。息子が理解と思いやりを実践できる時、もはや苦しむことはなく、息子の中の父親もまた変容されます。その瞬間、あなたの心の中に思いやりが生まれます。もう、許すことができます。

(思いやりの効果)
あなたが相手に傾聴する時、相手の発言は非難、責め、裁きなどで一杯かもしれませんので、あなたは怒らないようにするために、非常に思いやりを持つ必要があります。

あなたがあなたの中に思いやりを育まないなら、あまり長く聴くことはできません。あなたは、「私は、彼に心を空にする機会を与えるという、たった一つの目的で彼に傾聴します。私は慈善活動をしています」と言ってください。しかし、思いやりがあなたを怒りから守るでしょう。それ故に、思いやりは怒りの解毒剤なのです。思いやりで、あなたは他の人に関係することができるのです。思いやりなしでは、あなたは断ち切られます。

あなたが深く傾聴する技術、思いやりの技術を習得すれば、相手の心を開くことができます。あなたが愛に溢れた発言を通してあなたの中にあるあなたの感情を伝える方法を知っているなら、あなたは相手があなたを理解するのを助けることができます。ですから、コミュニケーションを再確立するために、許しを可能にするために、あなたはこの二つのすばらしいこと、つまり思いやりのある傾聴、及び愛に溢れた発言を実践することを学ぶべきです。
:引用おわり

(解説)
理解とは、マインドフルネス集中を通した洞察を意味します。ですから、苦しみの根本原因の洞察を得るためには、思考を停止し、苦しみを深く観る必要があります。

(参考)https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00KZJ34KO

ティク・ナット・ハン

Saturday, March 4, 2017

正思惟(正しい思考) = 非思考

次のティク・ナット・ハンの正思惟(正しい思考)についての法話を、25:07~28:50迄、深く傾聴してください。
https://tnhaudio.org/2017/02/26/practice-engaged-buddhism/
以下は抜粋です。このティク・ナット・ハンによる正思惟(正しい思考)の明確な説明は、正に私が探していたものであり、完全に同意します。

引用:
次に、(八正)道の第二の側面は正思惟(正しい思考)です。絶対的真理に関する限り、正思惟(正しい思考)は全ての思考の欠如です。正思惟(正しい思考)は、現実との直接的な遭遇です。あなたは考える必要はありません。あなたがマンゴーを味わっているように、あなたは本物の、真の、本当のマンゴー体験をしているのです。マンゴーはこのような味、そのような味という風に、あなたはマンゴーの概念を考える必要はありません。あなたはマンゴーの現実を手に入れましたので、マンゴーの概念は何も必要ありません。そうでしょ?ですから、正思惟(正しい思考)は完全な非思考です。

しかし、あなたが本当のものを手に入れていない時には、迷子にならないように、数種の概念、数種の方向性が必要です。あなたはマンゴーの方向へ行かなければなりません。ですから、正思惟(正しい思考)は、4つの栄養の観点からの思考です。正思惟(正しい思考)は、無常(空の時間的側面)、無我(空の空間的側面)の観点からの思考です。正思惟(正しい思考)は、助けになります。なぜなら、あなたが我(自己)の永続性(永久不変)の観点から考えるなら、あなたはなおさら苦しむからです。そして、これらは4つの栄養としての教えであることを覚えておくことが常に重要です。四諦、八正道、無常、無我は、実践のための道具なのです。それは正思惟(正しい思考)です。

そして、あなたがこれらを概念として、戦ってそのために死ぬ教義として考えるなら、それはもはや正思惟(正しい思考)ではありません。たとえ、これらが仏教用語であったとしても、私たちは仏陀の教えから自由でなければなりません。私たちは仏陀の教えからでさえ自由でなければならないのです。あなたが仏陀の教えに捕捉されるべきでないなら、あなたはその教えを上手に使うべきであり、捕捉されてはなりません

そして、正見(正しい見方=全ての見方の欠如=私たちを解放する能力=洞察=智慧)は、正思惟(正しい思考)に非常に役立ちます。(思考の)作家はあなたの見方ですので、(正見によって)あなたの思考はより良くなります。そして、それら(正見と正思惟)は互いに相互に作用します。あなたの思考が良い方向にある(非思考)なら、あなたの正見が成長し、あなたの自由が拡大します。
:引用終わり

<鍵となる語句>
正思惟(正しい思考)は全ての思考の欠如です。
正思惟(正しい思考)は完全な非思考です。
正思惟(正しい思考)は、4つの栄養の観点からの思考です。
正思惟(正しい思考)は、無常(空の時間的側面)、無我(空の空間的側面)の観点からの思考です。
四諦、八正道、無常、無我は、実践のための道具なのです。それは正思惟(正しい思考)です。
あなたがこれら(四諦、八正道、無常、無我)を概念として、戦ってそのために死ぬ教義として考えるなら、それはもはや正思惟(正しい思考)ではありません。
正見(正しい見方)は、正思惟(正しい思考)に非常に役立ちます。
(思考の)作家はあなたの見方ですので、(正見によって)あなたの思考はより良くなります。
正見と正思惟は、互いに相互に作用します。

(参考) 
http://compassion5151.blogspot.jp/2016/09/blog-post_30.html
http://compassion5151.blogspot.jp/2017/01/2.html
http://compassion5151.blogspot.jp/2017/01/blog-post.html
ティク・ナット・ハンの書

Thursday, March 2, 2017

深い傾聴 = 思いやりのある傾聴

次の「深い傾聴」に関するティク・ナット・ハンの法話ビデオを深くご覧ください。
https://www.facebook.com/thichnhathanh/videos/10154612456794635/
以下は、ビデオから抜粋した重要語句です。

1. あなたが人助けをしたいなら、深い傾聴は最も重要な実践です。
2. まずは、自分自身に耳を傾けてください。
3. 傾聴は、大変相手を癒し、変容します。
4. 自分自身が空っぽになる(自分自身を空にする)ことを許します。裁くためでなく、批判するためでなく、中断することなく自分自身を表現する機会を与えるために)
5. 観音菩薩は深く聴くことが非常に上手です。
6. 私たちは思いやりによって守られています。
7. 愛に溢れた発言と深い傾聴によって、意思疎通が復元できます。
8. 傾聴の質が成功を左右します。

(解説)
深い傾聴能力を持つためには、次のステップが不可欠であると私は理解しています。
深い傾聴能力を得るためのステップ:
1) 自己変容①(意識的な呼吸、歩行) +
2) 自身の苦しみを認識し、抱きしめる(マインドフルネス) +
3) 自身の苦しみを深く観る(集中) + 
4) 自身の苦しみの根本原因を理解する(洞察) + 
5) 自己変容②(思いやり) +
6) あなた自身を無条件に受け容れる(無条件の自己愛) +
7) 相手の苦しみを認識する(マインドフルネス) +
8) 相手の苦しみを深く観る(集中) + 
9) 相手の苦しみの根本原因を理解する(洞察) + 
10) 相手への思いやりを発生させる(許し) +
11) 意思疎通を復元する(愛に溢れた発言と深い傾聴) +
11') 相手が変容するのを助ける(無条件の愛)

たとえ、あなたが深い傾聴能力を持っていたとしても、もし相手心を開いて、発言しないなら、和解は不可能です。ですから、意思疎通を復元するために、相手が心を開いて、発言するのを助ける方法が鍵です。唯一の解決策は、洞察を通して苦しみの根本原因を相手が理解することかもしれません。しかし、それは本当の自分(無自性自己)のみができることです。ですから、相手の自己変容が不可欠なのです。

(注)多くの心理療法士が燃え尽きるのは、自分自身の苦しみの根本原因を理解していないからです。ですから、全ての心理療法士は心理療法を患者に提供する前に、自分自身の苦しみの根本原因を理解する必要があります。

(参考)https://www.slideshare.net/compassion5151/ss-45115827

ティク・ナット・ハンの書

Saturday, February 25, 2017

ティク・ナット・ハンからの貴重なメッセージ (2)

次のティク・ナット・ハンとデヴィッド・スタインドル・ラストとティク・ナット・ハンの弟子たちのビデオを深くご覧下さい。


以下はビデオからの抜粋です。私も全く同感です。

(10:01~: 力)
この種の力(お金、名声)は、本当の力になり得ません。そして、あなたはこれらの力の犠牲者になり得ます。しかし、あなたを強くできる他の種類の力があります。

1. 執着を断ち切る力
第一の力は、断ち切る力です。あなたは多くのことに執着し、縛られています。それがあなたの自由を失わさせるのです。あなたはそれがあなたを破壊していること、それがあなたを自由にしていないことを知っていますが、断ち切る勇気がありません。それ(断ち切ること)が自由です。それから、私たちの中には私たちを無力化する多くのことに縛られている人たちがいます。それなしで、彼なしで、彼女なしで、そのような地位なしでは生き残れないと、あなたは考えるのかもしれません。しかし、多分それはあなたの真の幸せのための本当の障害です。ですから、どのように手放すか、断ち切るかあなたには力が必要です。それ(執着を断ち切る力)が、あなたに必要であり、あなたを自由にすることができる最初の力です。

2. 許す力と愛す力
第二の力は、許し、愛すことです。その人が愛すべき人ではないとしても、あなたはその人の中の苦しみを理解することができますので、まだその人を愛すことができます。すると、あなたの愛が成長し、あなたはより強くなります。それは、境界のない、差別のない愛です。それは、真の愛です。それは、神の愛、仏陀の愛です。そのように愛するためには、あなたは自分を鍛える必要があります。あなたはあなたの愛の外に誰も置き去りにしてはなりません。全てを抱きしめるのです。

3. 理解する力
第三の力は、理解する力です。あなたはもはや恐れていません。あなたが理解すると、もはや怒ったり、恐れたりしないのです。そして、それには瞑想が必要です。深く観ると、あなたは相互依存の洞察、相関性洞察を得ます。その種の知見はあらゆる種類の差別や分離を取り除き、非常に強力な類のエネルギーを受けるに値します。 

もし、私たちの共同体に、この種の力を持つ人がいれば、私たちは歴史に残るほどの事をすることができ、歴史を変えることができます。

(21:51~: まとめ)
(重要なのは)名声、政治力(権力)、富(お金)ではありません。無執着、許しと愛、理解が重要です

(おわり)

(参考)https://www.slideshare.net/compassion5151/ss-62242338


Friday, February 24, 2017

ティク・ナット・ハンからの貴重なメッセージ (1)

次のティク・ナット・ハンとデヴィッド・スタインドル・ラストとティク・ナット・ハンの弟子たちのビデオを深くご覧下さい。


以下はビデオからの抜粋です。私も全く同感です。

(2:35~: 平和行進)
彼ら(平和行進参加者)は後ろから、「(もっと速く)歩けないの?」と叫びました。
そして、彼らの数人が私たちを追い越して、振り返り、私たちの歩き方を見ました。すると、彼らは変容しました。
私たちは平和を実践しているのであって、平和を要求しているのではないことを、彼らは理解します。もし、私たちが一歩毎に平和で幸せになれないなら、平和行進は平和行進でなくなります。(中略)
平和運動は共同体の実践でなければなりません。平和は実践なのです。(中略)平和運動は、人々が兄弟姉妹愛で一緒に暮らす共同体の実践であるべきだと、私は思います。

(7:10~: 歩行瞑想)
感謝は、一歩一歩に感じることができます。あなたは生きており、あなたの足は、あなたがまだこの美しい地球に歩を刻むのに十分強いのです。ですから、呼吸のマインドフルネスで、歩行のマインドフルネスで、あなたがあらゆる生命の奇跡に通ずることができるように、あなたの刻む一歩一歩があなたを今、ここの家へ連れ戻ります。すると、そのような一歩一歩は滋養と癒しになり得ます。

歩行瞑想中に、あなたは思考を停止します。我思う、故に真に我なし」(エゴが考えるので、本当の自分は本当にそこに居ない)。あなたは、あなたの足と地面の接触を感じることができます。母なる地球はそこに居ます。母なる地球はあなたの中に居ます。すると、あなたと母なる地球の間に交わりがあります。母なる地球は全ての聖人、全ての仏陀、全ての菩薩です。

あなたは、あなたの中に母なる地球を運んでいます。あなたは死ぬことができません。あなたは変容することができます。それは、自らを雨へ変容する雲のようなものです。雲は決して死ぬことができません。誕生も死もありません。私たちは、表面的なレベルで誕生と死について話しました。しかし、深くまで行くと、全てのものの性質は不生不死(生も死もない)です。あなたは決して有から無になれません。あなたは決して「誰か」から「誰もいない」になれません。

(つづく)

(参考)https://www.slideshare.net/compassion5151/ss-62242338


ティク・ナット・ハンとデヴィッド・スタインドル・ラスト

Thursday, February 16, 2017

今、この瞬間の浄土

次の「今、この瞬間の浄土」についての高僧ティク・ナット・ハンによる談話を深くご一読ください。
https://www.lionsroar.com/in-the-pure-land-of-the-present-moment/

(ティク・ナット・ハンへの私の質問)
最初に、ティク・ナット・ハンは、「今、この瞬間の浄土と呼ばれるような場所が本当にあります。その地は空間や時間に限定されていません。仏教用語では、その地は時空の外にあります」と言いました。

最後に、ティク・ナット・ハンは、「それ故に、私たちがマインドフルな呼吸や歩行をするなら、正にその空間と時間にある、今、この瞬間の浄土に戻ることができます」と言いました。 

ですから、「正にその空間と時間」とは、時空の外になければなりません。ティク・ナット・ハンは、「量子物理学の用語では、正にその空間と時間は、非局所的(一つの場所に限定されない)、且つ非時間的(一つの時間に限定されない)です」と言いました。ですから、今、この瞬間の浄土は、現象界(歴史的次元)ではなく、本体の世界(究極の次元)になければなりません。

この意味で(空間と時間がないため)、私たちのは今、この瞬間の浄土で暮らすことはできませんが、目覚めた意識だけが今、この瞬間の浄土で暮らすことができると、私は理解しています。

ティク・ナット・ハンに質問があります。(談話の中では「ある」と発言されていますが)今、この瞬間の浄土に、苦しみや幸せなどの概念はあり得るのでしょうか?本体の世界(究極の次元、涅槃)には、概念は全くないと私は理解しています。なぜなら、ティク・ナット・ハンが私たちに説いた通り、「全ての概念の絶滅が涅槃である」からです。

(浄土で暮らすためのステップ)
私たちが思考を停止できた場合にのみ、浄土で暮らすことができると、私は理解しています。そして、1日24時間浄土で暮らすためのステップは、
(1) 意識的な呼吸、(一時的な悟りのため)
(2) 苦しみの根本原因の洞察、(長続きする悟りのため)
(3) 全ての概念の絶滅、(完全な悟りのため)
でしょう。

(参考)http://www.slideshare.net/compassion5151/ss-62010528

ティク・ナット・ハン

Sunday, February 12, 2017

十六念息(要点4)

「十六念息」の要点は以下の通りです。(原文と解説は次のURLをご参照ください。) http://compassion5151.blogspot.jp/2015/10/blog-post_28.html
http://compassion5151.blogspot.jp/2016/04/blog-post_26.html

実習13-16: 知覚
(13-14): 無常と渇望
実習13-16は、完全な悟りを開くための実習であり、非常に深い観察を要します。その前に理解しておかなければならないことは、この世界は私たちの心の対象であり、心の投影ですから、私たちの心そのものであることです。つまり、私たちの心を投影したものが、この世界なのです。心の対象知覚の対象であり、知覚の対象は知覚(頭の中の概念の連続)ですから、知覚がこの世界です。換言すれば、知覚されている対象は知覚者であるということです。量子物理学者のデビッド・ボームは、「私たちの見方は、私たちの考え方に依存する」と言いましたが、上記の仏陀の指摘と一致します。

実習13は、全ての心の対象の無常(「空」の時間的側面)の本質を深く観察します。全てのものは変化していますので、全ての心の対象無常の本質が観えます。そして、全ての心の対象は私たちの心(知覚)の投影ですから、全ての知覚の無常の本質を観ます。従って、私たちの心の対象であるこの世界は私たちの知覚そのものであり、無常の本質を有するのです。実習14は、渇望(否定的な欲望)の消滅を深く観察します。そして、考え(アイデア)の消滅を深く観察します。つまり私たちの渇望は単なる考えでしかなく、時間が経過すると消滅してしまうのです。

(15-16): 無我と涅槃
実習15は、全ての現象の不生不死の本質を深く観察します。不生不死とは、生まれることも死ぬこともないという意味です。全てのもの(人間、動物、植物、鉱物)は形を変えながら継続している(生き続けている)だけですので、死にませんから生まれることはできませんし、生まれませんから死ぬこともできないのです。そして、全てのものはその他全てのものからできていることを観ます。つまり、その他全てのものは全てのものの中にあります。従って、全てのものはその他全てのものであるということです。これは、独立して存在できるものは何もないという無我(「空」の空間的側面、相互依存)の本質を観ているのであり、究極の真理です

実習16は、全ての概念(全てのもの)を手放しているを深く観察します。全ての概念の絶滅が涅槃です。全ての概念は人間のエゴ(独立した自己、自性自己、偽りの自分)がでっち上げたものであり、全て誤りであることを確信していますので、全ての概念を投げ捨てることは簡単です。全ての概念が絶滅すれば、考える対象が無い訳ですから完全に非思考となり、一日24時間目覚めた意識(独立していない自己、無自性自己、本当の自分)のままで、常に洞察を得ることが可能になります。洞察とは、何の努力もすることなく(何も考えなくても)、穏やかな心が外部の現実を静水(鏡)の如く映し出し透明な心が内面の現実を見透すことを意味します。これが完全な悟りを開いたということであり、完全に目覚めたということです。

(おわり)

(参考)https://www.youtube.com/watch?v=7eSuUDzwAWs
http://www.amazon.co.jp/dp/B012YZBHHS

ティク・ナット・ハンの書

Saturday, February 11, 2017

十六念息(要点3)

「十六念息」の要点は以下の通りです。(原文と解説は次のURLをご参照ください。) http://compassion5151.blogspot.jp/2015/10/blog-post_28.html
http://compassion5151.blogspot.jp/2016/04/blog-post_26.html

実習9-12: 心行と意識
(9-10): 選択的水やり
実習9-12の対象は心行(精神形成物)と意識であり、実習5-8感情の違いが分かりにくいかもしれません。実は、感情知覚(頭の中の概念の連続)51種類心行の一つなのですが、余りにもインパクトの強い心行であるため、感情知覚は外出しされているのです。従って、実習9-12心行49種類となります。次に、意識ですが、仏教では8種類意識があり、感情知覚心行根源あるとされています。8種類の意識とは、感覚意識五感)、心の意識(顕在意識)、マナス(エゴ)、貯蔵意識(阿頼耶識)です。

実習5-8感情心の意識(顕在意識)に顕現した感情に限定されますが、実習9-12心行と意識はその領域に加えて、もっと深い領域である貯蔵意識(阿頼耶識、潜在意識)に貯蔵されている心行の種子心行が顕現する前の段階も含み、その両方(心行と種子)に働きかけます。簡単に言うと、健全な種子に水やりをすると健全な心行が顕現し、不健全な種子に水やりをすると健全な心行が顕現するということです。

従って、選択的水やりとは、次の通りとなります。
1) 健全な種子に水やりをする。
2) 不健全な種子に水やりをしない。
3) 健全な心行が顕現していたらそれを維持する。
4) 健全な心行が顕現していたら、健全な心行へ変容する。
5) 意図的に、健全な種子に水やりをして健全な心行を顕現させ、健全な心行へ変容後、健全な種子として貯蔵意識へ戻す。
(注)5は難易度が高く、上級者でなければ危険ですので、初心者にはお勧めできません。

マインドフルなら、自分の内面と周囲で何が起こっているかに気付けますので、気付き次第選択的水やりをすれば、自分の心を自由自在にコントロールできます。また、自分が選択的水やりをするだけでなく、周囲の人にも選択的水やりをしてもらえるように依頼しておくことが賢明です。この選択的水やりは、八正道の「正精進正しい精進)のことです。

(11-12): 集中と解放
実習11-12は、心行を深く観て、洞察を得て根本原因を理解し、思いやりを発生させて心行を変容する実践です。深く観ることによって集中のエネルギーが発生し、その集中のエネルギーによって根本原因の洞察(理解)を得、洞察のエネルギーによって思いやりが発生し、思いやりのエネルギーによって恐れや不安といった心行が変容するのです。心行を変容することが、心の解放です。尚、実習11得る根本原因の洞察(理解)とは、四諦の第二の真理(集諦:苦しみの原因に該当します。また実習12で達成する心行の変容とは、四諦の第三の真理(滅諦:苦しみの終わりに該当します。

恐れ不安といった煩悩は、苦しみの原因です。従って、恐れ不安がある限り、あるがままの自分を無条件に受け容れることができなくなります。自己嫌悪になる場合もあります。常に考えてばかりで、心が過去に彷徨うと後悔悲しみで苦しみ未来に彷徨うと恐れ不安で苦しみます。この悪循環は、苦しみの根本原因を洞察を通して理解しない限り、断ち切ることはできません。断ち切れないと、たとえ意識的な呼吸で一時的に思考を停止できてマインドフルになれたとしても、何かの拍子に思考が復活して失念状態に戻ってしまうのです。

従って、安定的に思考を停止し、マインドフルな状態を長く継続するには、どうしても苦しみの根本原因を洞察を通して理解する必要があります。もちろん、それでも概念を絶滅できていませんので、たまには思考が復活してしまいます。それ故に、本物の実践者は毎日瞑想を欠かすことはなくティク・ナット・ハン一日24時間瞑想している由、常にマインドフルな状態を維持するための実践を怠りはしないのです。完全に一日24時間思考を停止する(マインドフルでいる)ためには、概念の絶滅によって、完全な悟りを開くしか方法はありません。

(つづく)

(参考)https://www.youtube.com/watch?v=7eSuUDzwAWs
http://www.amazon.co.jp/dp/B012YZBHHS

ティク・ナット・ハンの書

Friday, February 10, 2017

十六念息(要点2)

「十六念息」の要点は以下の通りです。(原文と解説は次のURLをご参照ください。) http://compassion5151.blogspot.jp/2015/10/blog-post_28.html
http://compassion5151.blogspot.jp/2016/04/blog-post_26.html

実習5-8: 感情
(5-6): 喜びと幸せ
実習5-6喜びと幸せの発生)は、実習1-2 で、マインドフルネスに自分自身を確立すると同時に、自動的に起こります。従って、実習5-6に持ってくるより、実習3-4にした方が時系列的には正しいです。但し、喜びと幸せ感情のカテゴリーに入りますので、実習5-6に持ってきたのだと推測します。いずれにせよ、実習1-2 マインドフルな呼吸ができていれば、自分は目覚めた意識(本当の自分)に戻っていますので、生命の奇蹟に触れることができ、喜びと幸せ自動的発生するのです。喜びと幸せの実感の表現としては、「花のように、何も考えることなく、ただ咲いている」(花を人間に置き換えると、何も考えることなく、ただ微笑んでいる)といったところでしょうか。

いくら意識を呼吸に集中しようとしても、自分の恐れや不安から思考を停止できない人(心が過去や未来を彷徨っていて、今この瞬間に戻れない人)は、残念ながらエゴ(偽りの自分)のままですので、喜びと幸せを発生させることはできません。従って、実習1-2によって喜びと幸せを発生させることができない人は、たとえ先へ進んだとしても、マインドフルネスのエネルギーがありませんので、認識し、抱きしめ(受容し)、痛みや苦しみを和らげて軽減することは不可能です。ですから、ティク・ナット・ハンは、目覚めた意識(本当の自分)に戻れる迄、つまりマインドフルな呼吸や歩行ができるようになる迄、先へ進まないで意識的な呼吸や歩行を続けて下さいと指導しています。ですから、実習5-6は、自分が正しいマインドフルネスを実践しているか否かを自分でチェックする方法とも言えます。

(7-8): 苦痛の感情
実習5-6は肯定的な感情に気付いて維持する実習ですが、実習7-8は否定的な感情(苦痛の感情)に気付いて静める実習です。実習3-4全身苦痛の感情に置き換えれば、することは全く同じです。マインドフルネスのエネルギーによって苦痛の感情を認識し、抱きしめ(受容し)感情の中の緊張を解放することによって苦痛の感情穏やかにするのです。

自分が感情を認識するということは、自分が感情の目撃者、観察者であるということです。従って、感情は自分自身ではありません。本当の自分感情を目撃している目覚めた意識なのです。ですから、絶望のような強い感情であっても圧倒される必要はありません。ただ、眺めていればいつの間にか消えていきます。感情は無常(常に変化)であり、一時的に吹き荒れるのようなものですので、慌てて反応してはいけません。

(つづく)

(参考)https://www.youtube.com/watch?v=7eSuUDzwAWs
http://www.amazon.co.jp/dp/B012YZBHHS

ティク・ナット・ハンの書

Thursday, February 9, 2017

十六念息(要点1)

「十六念息」の要点は以下の通りです。(原文と解説は次のURLをご参照ください。) http://compassion5151.blogspot.jp/2015/10/blog-post_28.html
http://compassion5151.blogspot.jp/2016/04/blog-post_26.html

実習1-4: 体
(1-2): 呼吸
この最初の二つの実習(意識的な呼吸)は、非常に重要です。なぜなら、この最初の意識的な呼吸によって、思考、即ち知覚を停止し、マインドフルネスに自分自身を確立するからです。つまり、この最初の意識的な呼吸によって、自分自身をエゴ(独立した(自性)自己、偽りの自分)から目覚めた意識(独立していない(無自性)自己、本当の自分、法身)へ変容するのです。思考を停止できれば、この変容は自動的に一瞬で起こります。しかしながら、強い恐れや不安を持っている人は、いくら呼吸に意識を集中しようとしても、考え続けてしまって思考を停止できません。

留意すべき点は、この最初の段階でマインドフルネスに自分自身を確立しておかないと、三番目以降の実習効果は期待できないということです。ティク・ナット・ハンが、「一息(2~3秒)で本当の自分に戻れる」と言っているのは、正にこの最初の意識的な呼吸のことを意味すると、私は理解しています。

(3-4): 全身
最初の二つの実習(意識的な呼吸)でマインドフルネスに自分自身を確立できると、マインドフルネスのエネルギーによって、目覚めた意識が自動的に自分の内面と周囲で何が起こっているかを気付けるようになります。実際には、一気に全てに気付くことができる(同時にあらゆる洞察を得ることができる)のですが、実習ではステップを踏んで順番に対象に気付いていきます。対象とは、人間を構成する五蘊(体、感情、知覚、心行、意識)を意味し、具体的には3-4:7-8:感情9-12:心行と意識13-16:知覚の順で認識し、穏やかにしていきます(痛みや苦しみに気付いて静めていきます)。

まず、3-4では全身の痛みに気付いて、痛い部分の緊張を解放します。体と心は密接に影響を及ぼし合っていますので、体の痛みが激しいと意識を集中できなくなり、マインドフルネスに自分自身を確立できなくなります。従って、第一に全身の健康マインドフルネスの光線でレントゲンの如くチェックし、不健康な部分は抱きしめて十分にケアしてあげることから始めるのです。以上の通り、マインドフルネスのエネルギーは、認識し、抱きしめ(受容し)、痛みや苦しみを和らげて軽減する機能を持っています。尚、マインドフルネスに自分自身を確立できるやいなや、停止する効果、休める効果、穏やかにする効果、癒す効果が一気に発生します。

(つづく)

(参考)https://www.youtube.com/watch?v=7eSuUDzwAWs
http://www.amazon.co.jp/dp/B012YZBHHS 
ティク・ナット・ハンの書