Saturday, April 25, 2015

人生は苦なり?(一切行苦?)

(ティク・ナット・ハン著「仏陀の教えの真髄」第五章より)

(注)この章は苦しみと幸福が分離されていますので、一般的な真理の領域において記述されていることに留意する必要があります。(四聖諦は一般的な真理の領域、般若心経は究極の真理の領域)

以下はティク・ナット・ハンからのメッセージのまとめです。

1) 「この世の全てが苦しみである」というのは、仏陀の教えではありません。仏陀は苦しみの真理を教えましたが、「あるがままに幸せに生きる」真理もまた教えてくれました。

⇒ 「一切行苦」(全ての心行は苦しみである)が根源だとしても、51種類の心行全てが苦しみではありませんので、誤りです。(全ての不健全な心行は苦しみであると言うのなら正しいのですが、健全な心行は幸せです。)

2) 三種類の苦しみの理論は、「地上の全ては苦しみである」ことを証明しようとした仏陀の多くの優秀な弟子による試み(苦しみの普遍化を正当化する試み)でした。

3) 仏陀の名前を連呼したり、機械的に語句を繰り返しても、苦しみの本質を理解したり、仏陀が私たちに示した道を明かす何の助けにもなりません。なぜなら、私たちが形ある物や言葉や概念に捕捉されてしまうからです。その代わりに、私たちは自分自身の知能を使う必要があります。

4) もし、マインドフルネス(念)によって苦しみの真理に触れることができれば、自分の具体的な苦しみ、その具体的な原因、そしてその原因を取り除き苦しみを終わらせる方法を認識し、見分けることができるようになるでしょう。

⇒ (仏陀とティク・ナット・ハンへの私の質問は、「なぜ(苦しみに加え)喜びを認識した時も、深く分析し、その根本原因を理解することを説かないのか?」です。もし喜びの根本原因を理解できれば、感謝、謙虚、愛を発生させることができるかもしれません。
(p5) http://www.slideshare.net/compassion5151/3-46874436

5) 三法印とは、無常、無我、涅槃のことであることを理解する必要があります。(苦しみを三法印に含めてはいけません)
  
ティク・ナット・ハン