Thursday, January 26, 2017

思考 (3)

次の「私たちの思考を気遣う」というティク・ナット・ハンの法話ビデオを深くご覧ください。 
https://www.facebook.com/thichnhathanh/videos/vb.7691064634/10154446854299635/?type=2&theater
以下は上記ビデオからの抜粋です。

引用:
(-42:15~)
私たちは自分の心が快適なものを追いかけ不快なものを避けようとするのをよく許容してきました。すると、私たちの思考は、思考のその習慣、そのパターンに従います。 そして、これらのパターンは、快適なものを追い求め、フォローし、探し求め、不快なものから逃げようとし、避けようとする原則に従います。そのため、私たちは全ての自由を失います。私たちは追いかけており、避けていますので、自分が何かを追いかけており、何かを避けようとしていることを知らないからです。 私たちは、自分の思考、感情、知覚に心を奪われているのです。

(-40:30~)
自動操縦の飛行機を想像してみてください。飛行機に人は必要ありません。飛行機は目的地までとても上手く行くことができ、やるべきことをすることができます。そして、飛行機には人間はいません。非常に頻繁に私たちはそのように行動します。私たちは自動操縦をしています。何が起こっているかを目撃するために、私たちはそこにいません。そして、仏陀が提案した実践は、真に生きるためにそこに居ること、存在し続けることです。あなたが本当にそこに居て、本当に存在する時、同時に完全に生きることができます。あなたは何が起こっているかを知ります。そして、あなたはそれぞれの思考の価値、それぞれの感情の価値、それぞれの知覚の価値を知ります。

あなた自身の中には発見されていない領域があることを、あなたは知っていますあなたは心を奪われるのをあなた自身に許可してはなりません。あなたはあなた自身になりたいのです。あなたは自動操縦になりたくないです。あなたはあなた自身でそこに居たいのです。そして、思考が生じる度に、感情が生じる度に、その状況をコントロールするためにあなたはそこにいたいのです。あなたは心を奪われたくありません。あなたはあなた自身があなたの思考に微笑み、あなたの気持ちに微笑み、あなたの感情に微笑むことを許可します。あなたはその思考、感情、知覚に対してどちらの方向にも反応したくありません。なぜなら、その生じた気持ち、感情、思考に対してあなたを即座に反応させようとしているのは、あなたの中の習慣エネルギー(癖)だからです。これは非常に重要です。

あなたは自分自身に次のように言ってください。「ええと、これは思考だ。これは気持ちだ。これは感情だ。私はそれらが私の中にあることを知っているけれど、私はその思考だけ、その気持ちだけ、その感情だけではない。私はそれよりはるかに大きな存在だ。私は自分の中に理解、思いやり、愛、智慧という宝物を持っている。私が整理し、解決するのを助けるために、正しい道に向かうのを助けるために、これらの要素にやって来てほしい。」

あなた自身(目覚めた意識、本当の自分)に息を吸い込んで、吐き出す時間を与えてください。行動を起こすために急いで反応しないでください。なぜあなたは息を吸って、吐いているのですか?あなたは、あなた自身の中の素晴らしい、肯定的な要素に介入するチャンスを与えているのです。内部にはコンピューターがあります。そして、コンピュータには多くの力があり、これらの力を活用するためのノウハウをあなたに与えます。あなたは状況を変容することができます。あなたは、多くの光、多くの喜び、多くの思いやりをその状況にもたらすことができます。

そこに居ることによって、心を奪われてすぐに反応することをあなた自身に許可しないことによって、あなたは物事をよりはっきりと見ることができる別の視点をあなた自身に与えるのです。あなたは、これをしなければならない、あれをしなければならないといった結論へジャンプするために反応するのを急いではいけません。ただ、気付いてください。ただ、状況に気付いて、何が起こっているかに気付いて、あなたの内面と周囲で何が顕現しているかに気付いてください。すると、マインドフルな呼吸、マインドフルな歩行の実践によって、あなたは余裕を持つことができます。その余裕は、肯定的な要素が介入するためのものです。仏陀(本当の自分)にチャンスを与えてください。あなたの中の神の王国、仏陀の王国にチャンスを与えてください。
:引用終わり

(つづく)

(解説)
思考、感情、知覚によって心を奪われるのはエゴ(独立した自己)です。すると、何が起こっているかを目撃できる本当の自分(独立していない自己、目覚めた意識)は、エゴによって覆い隠されてしまいます。ですから、本当の自分が覆いを取ってもらえるように、エゴを手放すことが手がかりです。

マインドフルな呼吸とマインドフルな歩行の実践は、肯定的な要素が介入するための余裕(余地)を持つのに有効かもしれません。しかし、マインドフルな呼吸とマインドフルな歩行のためには、エゴが思考を停止することが不可欠です。

そのためには、洞察を通して苦しみの根本原因を理解することが唯一の解決策であると、私は理解しています。その洞察がなければ、私たちは決して思考を停止することはできません。ですから、マインドフルな呼吸とマインドフルな歩行は簡単に聞こえますが、実際に実践するのは非常に難しいです。

苦しみの根本原因の洞察を得るための具体的手法を説いた人は、仏陀ティク・ナット・ハンも含めて)誰もいないと、私は理解しています。苦しみを深く観る前に、エゴは本当の自分を復活させるため、非思考を達成しなければならないのです。

もし、そのような具体的手法が共有されたなら、この地球はすぐに好転するでしょう。私の経験を通して苦しみにうんざりして自分自身を変える決意をすることが鍵であると、私は理解しています。それから、本当の自分とは神、または仏陀であると、私は理解しています。

(参考)http://www.slideshare.net/compassion5151/ss-44812852