Thursday, February 4, 2016

正見と正思惟

八正道では、正見がある時には、正思惟が続くと言われています。

しかしながら、正見(正しい見方)と正思惟(正しい考え)は非常に人を欺く言葉です。

なぜなら、全ての見方は誤った見方であり、全ての考えも誤った考えであるからです。

正見(正しい見方)とは何のことでしょうか?

正見は洞察や智慧を意味します。

従って、全ての見方の不在が正見(正しい見方)なのです。

正思惟(正しい考え)とは何のことでしょうか?

正見と同様に、全ての考えの不在が正思惟(正しい考え)なのです。

即ち、非思考(考えないこと)が正思惟(正しい考え)なのです。

そして、正語(正しい発言)と正業(正しい行動)もまた、正見(正しい見方)に依存します。

どのようにしたら、私たちは正見(正しい見方)を得られるでしょうか?

私たちは、現実の本質を理解する必要があります。

どのようにしたら、私たちは現実の本質を理解できるでしょうか?

私たちは、全ての概念、考え、知覚を投げ捨てる必要があります。

なぜなら、概念、考え、知覚は、分離、差別、即ち二元性を引き起こすからです。

そして、分離、差別、即ち二元性こそが煩悩を引き起こし、苦しみの根本原因となるのです。

ですから、私たちは非二元性を得るために、現実と一つになり、二元性を超越しなければなりません。

どのようにしたら、私たちはそれを行うことができるでしょうか?

マインドフルネス(念)、集中(定)、洞察(慧)が、私たちがそれを行うのを助けてくれます。

マインドフルネス(念)とは何のことでしょうか?

マインドフルな呼吸、マインドフルな歩行等によって、目覚めた意識を復活させることです。

目覚めた意識は自他を分離しない正見(正しい見方)を持ち、考えずに常に洞察を得ることができます。

一方、エゴ(独立した自己)は自他を分離する誤った見方を持ち、考えてばかりいます。

正見(正しい見方)からは、正語(正しい発言)と正業(正しい行動)が生じます。

一方、誤った見方からは、誤った発言と誤った行動が生じます。

その結果、正しい発言と行動は福徳をもたらし、私たちは幸せになります。

反対に、誤った発言と行動は否定的な結果をもたらし、私たちは苦しみます。

一度に一つのことをするだけ!自分の行動に集中すること!そうすると、常にマインドフルに生きることができるようになります。

(参考)http://www.slideshare.net/compassion5151/ss-44713365


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