Friday, June 17, 2016

菩提樹と明鏡 (1)

菩提樹と明鏡(曇りのない鏡)

菩提樹と明鏡についての次の物語をご一読ください。
http://www.buddhistdoor.com/OldWeb/bdoor/archive/zen_story/zen3.htm
以下は抜粋です。

引用:
ある日、第五代最高指導者であるハング・ジェンは、弟子全員を集めて、「自分自身の心の中にある般若(智慧)を見つけ​​、その智慧についての節(短い詩)を私に書いてくれ。仏教の本質たる現実を理解している者が第六代最高指導者となるであろう」と言いました。

筆頭弟子であるシン・シャウは、自分の節(短い詩)を作り、自分が得た精神的洞察に最高指導者が気付けるように、廊下の壁にそれを書きました。その節(短い詩)は、次の通りです。

私たちの体は菩提樹であり、
そして、私たちの心は脚付きの明鏡のようなものです。
いつも念入りに私たちはそれを拭いて、
埃(ほこり)をかぶらないようにします。

その後、台所で働いていたヒュイ・ネングは若い男がその節(短い詩)を吟唱するのを聞きました。すぐに、彼はその節(短い詩)が仏教の本質たる現実を示していないことに気付きました。

彼は文盲でしたので、自分の節(短い詩)を代筆することを人に依頼しました。その節(短い詩)は、次の通りです。

菩提樹も
脚付きの明鏡もありません。
全ては空ですので、
どこに埃(ほこり)をかぶれるのでしょうか?(いや、かぶれません)

結局、ヒュイ・ネングはハング・ジェンから袈裟と法を受け、中国における禅宗の第六代最高指導者となりました。
:引用終わり