Friday, December 18, 2015

あるがままの現実

以下は、ティク・ナット・ハン著「太陽、我が心臓」からの抜粋です。

引用:
(理解の目で現実を見るために)

既に述べたように、意識の対象があるがままの現実であるのは、純粋な感覚の場合のみです。感覚は現実に浸透することにおいて相対的な価値しか有していません。ですから、あらゆる感​​覚の内容そのものはあるがままの現実であっても、感じられたものはその完全さにおいて決して現実であることはありません。例えば、人間の目は電磁スペクトル(存在し得る全ての電磁波の周波数(または波長)帯域)の微小部分のみを認識することができることを、科学は示しました。ラジウムと宇宙線は周波数が高すぎて、私たちが見ることのできない多くの波長の一つです。私たちが光を見、音を聞く時、特定の周波数内の波長のみを知覚します。赤外線は私たちが見ることのできる波長より長い波長を持っていますので、私たちには見えません。X線は可視光よりも短い波長を持っていますので、私たちはX線も見ることができません。もし、私たちがX線を見ることができるなら、宇宙の全てが全く異なって見えるでしょう!私たちはまた、犬や他の動物の耳が敏感である高音を聞くことができません。地球上の動物の多くが、私たち人間ができるよりずっと多くの現実を知覚することができます。

ですから、宇宙の完璧な究極の現実は、偉大な理解の目でのみ観察できますが、その目はマナス(エゴ)を構成する概念と誤った見方が根こそぎにされた時にのみ開くことができます。その場合にのみ、アラヤ(阿頼耶識)が全宇宙を映し出す素晴らしい、完璧な鏡として自ら正体を現わすことができます。
:引用終わり

(解説)
私たちがエゴ(独立した自己)であるなら、私たちが見るものは自分の心の投影ですので、幻想であると私は理解しています。しかし、目覚めた意識(本当の自分、即ち独立していない自己)が復活した時、私たち(目覚めた意識)は現実の本質に触れることができます。なぜなら、もはや心の投影がないからです。目覚めた意識(阿頼耶識)は、完璧な鏡としてあるがままの現実を映し出すことができます。一時的な目覚めた意識を復活させる方法は、マインドフルな呼吸を通して心(思考)を停止するマインドフルネスです。そして、永遠の目覚めた意識を復活させる方法は、洞察を通して究極の真理を理解する完全な悟り、即ち全ての概念の絶滅です。

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http://www.amazon.co.jp/dp/B00WBP308Q
http://www.amazon.co.jp/dp/B01816ZRD4

ティク・ナット・ハン

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